北朝鮮へ原発支援案、韓国政府が作成 非核化の見返りか

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ソウル=鈴木拓也
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 2018年の南北首脳会談直後に、韓国産業通商資源省が、北朝鮮への原発支援案をまとめた文書を作成していたことがわかった。韓国メディアの報道を受けて1日に文書を公開した同省は、「アイデア段階の検討資料」と釈明したが、文在寅(ムンジェイン)政権は国内では脱原発政策を進めており、野党は強く批判している。

 同省によると、「北朝鮮地域 原発建設 推進方案」と題された文書が作成されたのは2018年5月。板門店で文大統領と北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長(当時)が会談し、両首脳が朝鮮半島の「完全な非核化」実現を目標とする板門店宣言に署名した直後だった。

 文書には三つの支援案が併記された。一つ目は北朝鮮東部・咸鏡南道での原発建設。第1次核危機の解決策として1994年に結ばれた米朝枠組み合意で、北朝鮮が核開発凍結の見返りに軽水炉原発の提供を受ける予定地だった。二つ目は北朝鮮との軍事境界線を挟んで設けられた非武装地帯(DMZ)での原発建設。三つ目は、韓国内に新たに建設する原発から北朝鮮への送電。いずれの案も米国や日本など関係国と進めるとし、課題に使用済み核燃料の処分などを挙げた。

 同省は文書について、「アイデアの次元で作られた内部の検討資料」と強調。政府の公式見解ではないと否定した。ただ、文書の内容からは、北朝鮮が非核化措置を取った場合に、見返りに原発によるエネルギー支援を検討していたことがうかがえる。

 保守系の最大野党は、文政権が脱原発を掲げていることを挙げ、「南(韓国)では原発を破壊し、北には原発を建設するのか」と批判。文大統領を追及する構えを見せている。

 この文書の存在は、文政権の…

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