障害・暴力… 「ふつうでない」家族とわかりあえるのか

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畑山敦子
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 耳の聞こえない両親や暴力的な祖父。フリーライターの五十嵐大さん(37)は、自身の家族が「ふつうでない」ことに悩んできた。家族への差別や偏見にさらされ、自ら家族を避けた時期を経て、今はわかりあいたいと思うようになった。こうした経緯や家族への思いをつづった初のエッセー「しくじり家族」(CCCメディアハウス)を昨年出版。エッセーに描き出された「ありのまま」の思いが、共感を呼んでいる。

拡大する写真・図版「しくじり家族」著者の五十嵐大さん=東京都品川区

 「ふつうでない家族が嫌でしかたなかった」。五十嵐さんは両親、そして母方の祖父母と一緒に暮らした子ども時代をこう振り返る。

 父は宮城県で塗装工をしている。幼い頃に病気で耳が聞こえなくなった。母も先天性の理由で耳が聞こえない。五十嵐さんはひとり息子。両親が耳が聞こえる人と話す時、手話ができる五十嵐さんは子どもの頃から「通訳」として両親の意思を伝えていた。

 父や母とは手話や筆談でコミュニケーションをとった。2人ともろう学校で口話訓練を受けたため、口頭でやりとりすることもある。

 小学校の頃、たまたま母の話し声を聞いた友達に「お母さんの話し方がおかしい」と言われた。周囲の大人に、両親のことを「耳が聞こえないから何もわからない」と見下すような人がいたのもつらかった。

 父と母のことは好きだった。だが、周囲の目が気になり、両親の障害を「恥ずかしい」と思った。

 母方の祖父は若い頃に暴力団…

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