第17回受験生「自分をほめて」 M-1準優勝のこがけんさん

聞き手・篠塚健一
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コロナ禍の中、入試にのぞむ受験生たちに贈る激励のメッセージ「受験する君へ」。「おいでやすこが」のユニットで「M―1グランプリ」で準優勝した、こがけんさんが贈る言葉です。こがけんさんは慶応大学商学部卒業後に芸人の道に入りました。

受験する君へ こがけんさん

 昨日の夜遅くに気づいたんですが、僕は指定校推薦で合格したんです。それでもいいですか?

 いつも心がけていたのは、5教科以外もしっかり勉強すること。中学生のとき、2番目の姉がこう言ってくれたんです。

 「あんた、通知表では国語も『5』だけど家庭科や保健体育も同じ『5』だから。それを考えて勉強した方がいい」。姉には感謝しています。

雑音は集中力の味方

 高校のときは、図書館にこもって勉強しましたね。自宅だと漫画やゲームがあるから。自転車で、わざわざ30分ぐらいかけて行っていました。でも、勉強室のような静かな場所では集中できない。図書館の離れに、食事のできる建物があったのでそこで勉強していました。僕は、少し雑音のあったほうがめちゃくちゃ集中できるんですよ。

 いまも、お笑いのネタはシャワーを浴びながら考えます。水の音はとても集中できるし、ネタが降りてきやすいから。ユーチューブで、水の音のBGMを聴きながらネタを作ることもあります。

ウソだろっ!の高校受験

 本番で大切なのは、一問に固執しないこと。高校受験のときに英語だったかな、2問目がわからなかったんですよ。そんなはずはないとムキになって考えても、結局わからなくて。気がついたら、20分ぐらい寝ていました。まるでパソコンのスリープ状態。ウソだろって慌てて、その問題をとばしました。だから全問解いてやろうと思わず、ドライにやった方がいいですね。

 推薦だったので、大学受験のラストスパートは経験していません。でも思うのは、この時期に学んだことはなにかしら役に立つということ。コントを組み立てるときは、国語の構成力や数学の理屈を使っています。芸人のトークはプレゼンみたいなもの。小論文を書いて、話し言葉に置き換えるような感じ。無駄になる知識などないはずです。

ここまで来たんだから楽しもう

 僕は去年、M―1で決勝へ行きました。そのときは、「ここまで来たんだから楽しもうよ」という感覚でしたね。努力の礎があれば、そういう気持ちになれると思う。

 隣の席の受験生も、いまはライバルでも春からは友だちかもしれません。そう思って気負い過ぎず、睡眠をとって、自分らしい受験をしてください。

 そして、最後の最後は自分をほめること。体調を崩さず、会場へ来られたこと自体がすばらしいんですから。(聞き手・篠塚健一)

勝負メシは、うどん

 テスト期間中によく食べていたのは、うどんです。消化が良くてはやい。夜食ではなく、夜ごはんとして食べていました。

 地元の福岡県久留米市に、「久留米荘」という有名なうどん店があるんですよ。よくここの持ち帰りを買っていました。

 麺を箸で持ち上げると、プツッと切れてしまうくらいコシはない。でも、昆布といりこの利いた甘めのだしがおいしくて、コシのない麺とすごく合う。後味もいい感じでした。頼むのは素うどんか、きつねうどんが多かったと思います。

 僕はもともと、胃腸が強い方ではありません。うどんを食べる時も、ネギは抜くようにしていましたね。その方が消化は良いと思ったからです。

 久留米荘のうどんは、芸人になってからも食べています。実家から送ってくれるので、袋に入っただしを温めて、麺を入れる。お袋の味に匹敵する味ですね。

     ◇

〈こがけん〉1979年、福岡県久留米市生まれ。県立明善高校から慶応大学商学部へ進み、卒業後に吉本興業養成所へ。ピン芸人として活動し、2019年の「R―1ぐらんぷり」で決勝進出。同年、おいでやす小田さんとユニット「おいでやすこが」を結成。ユニットとして、2度目の出場だった昨年末の「M―1グランプリ」で準優勝した。

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