じいさんの真骨頂 「博多最後の絵馬師」、孫が写真集に

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島崎周
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 「博多最後の絵馬師」と言われ、福岡県内の神社に多くの絵馬を残した吉村百耕(ひゃっこう)(1878~1958)の作品を、孫の男性が写真集にしようと活動している。カメラマンの協力も得て、3年をかけて現存する約160点の絵馬を撮影。「絵馬に詳しくない人や若い人にも手にとってもらえるような写真集にしたい」と意気込んでいる。

拡大する写真・図版櫛田神社の博多歴史館にある「山笠図」の前に立つ、吉村百耕の孫の精高さん=2021年1月31日午後3時22分、福岡市博多区、島崎周撮影

 福岡市東区の筥崎宮。通常は入れない本殿を囲む回廊の突き当たりに縦88センチ、横1・3メートルの絵馬が飾られている。博多湾で漁民たちが鯨を捕り、喜ぶ情景を描いた百耕の作品「捕鯨図」だ。豊漁に感謝を込めて博多旧魚市場仲買人によって、1924年に奉納されたという。

拡大する写真・図版筥崎宮に奉納されている「捕鯨図」=2021年1月22日午前9時33分、福岡市東区、島崎周撮影

 鯨にくくりつけた縄を引っ張る人、浜から見る赤ちゃんをおぶった女性、船上の万歳……。「同じ動きをしている人が一人もいない。すごいね」。百耕の孫の吉村精高(きよたか)さん(68)は祖父の絵馬を見るたび、描き方の繊細さや美しさに魅せられる。

拡大する写真・図版筥崎宮に奉納されている「捕鯨図」の一部。鯨を引っ張る人や、尾ではね飛ばされる人の姿が細かく描かれている=2021年1月22日午前9時33分、福岡市東区、島崎周撮影

 戦争や武将の戦う姿を描いた絵馬も多いが、主人公の後ろや奥にいる人たちの姿までしっかり描かれているのが特徴。「絵馬を見ると、じいさんが描いている時にタイムスリップしたよう。名も無い人たちを大切にしたかったのでは」

拡大する写真・図版筥崎宮に奉納されている「捕鯨図」と吉村精高さん=2021年1月22日午前9時55分、福岡市東区、島崎周撮影

 絵馬は、祈願や感謝の意味を…

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