初めて交わした酒、父は翌日命を絶った 30年後の涙

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竹田和博
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 人生の半分以上の期間を、受刑者の話を聴くことに捧げた僧侶がいる。富山刑務所(富山市)で40年余り「教誨(きょうかい)師」を務める同市の川越恒豊さん(80)は「闇をさまよった受刑者が光に転じるように手伝うのが役割」と話す。これまで100人以上と接してきた。誰にも話せなかった胸中を明かす受刑者たち。3年半前に出会った受刑者もそのひとりだ。

 「父親が死んだ年齢を超えて、あと何年生きられるか分からないと思うようになりました」

 昨年2月、富山刑務所の一室。50代の男性受刑者が、川越さんを前に記憶を語り始めた。

 酒飲みだった父親は、弟や妹に優しかった。男性だけは手足を縛られたり、たばこの火を押しつけられたりした。

 「そういうのは忘れられない?」。川越さんの言葉に、男性の声が震えた。

 「忘れられないっすね」…

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