中古戸建て 20年の成約件数が4年ぶりに過去最高

南日慶子
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 首都圏で中古の一戸建ての売れ行きが好調だ。東日本不動産流通機構によると、2020年の中古戸建ての成約は前年比2・4%増の1万3348件で4年ぶりに過去最高を更新した。価格上昇が激しいマンションに比べて割安感が出てきたことに加え、コロナ禍で在宅勤務の人が増え、部屋数の多い戸建ての人気が高まっているという。

カネ余りで不動産高騰、これってバブルでは? 経済部の南日慶子記者が解説します。

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 同機構によると、神奈川が前年比7・1%、埼玉が3・0%、千葉が2・9%とそれぞれ増えた。東京は2・4%減だが、月別では7月以降は6カ月連続で前年同月を上回った。

 中古だけでなく新築戸建ても堅調だ。不動産調査会社の東京カンテイによると、20年の新築一戸建ては5万2193戸が分譲され、コロナ禍でも前年比0・4%減とほぼ横ばいだった。東京カンテイの担当者は「マンションが高額になり、中古を含めて築年数の浅いものは手が届かなくなっているが、戸建ては割安感がある。出せば売れる状態」と話す。小田急不動産が東京都世田谷エリアで昨年10月末に販売を始めた新築分譲戸建て10戸は、3週間で完売した。30代のファミリー層が中心で、全員が賃貸からの住み替えだったという。

 同機構によると、20年の1戸あたりの中古戸建ての成約価格は平均3110万円で、この5年で約100万円上がった。これに対し、中古マンションは3599万円で約700万円も上がっている。不動産経済研究所によると、新築マンションの発売価格の平均も1990年のバブル期並みの水準になっている。

 実際の取引価格をもとに、不動産価格の動向を示す国土交通省の不動産価格指数(2010年平均=100)でも、20年10月はマンションは154・9だが、戸建て住宅は101・1と横ばいだった。東京カンテイの担当者は「低金利政策が投資の環境としては有利に働いている。富裕層、投資家の積極的な動きが、マンションの価格を押し上げている部分がある」と指摘する。(南日慶子)

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