ユーロ圏のGDP、6.8%減 2度のロックダウンが影
欧州連合(EU)統計局が2日発表したユーロ圏19カ国の2020年の実質域内総生産(GDP、速報値)は、前年比6・8%減で、1995年に現行の統計を始めて以来、最大の落ち込みとなった。新型コロナウイルス対策で各国が度重なるロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったことが響いており、主要経済圏の中でも景気の悪化ぶりが際立っている。
通年のGDPをすでに発表した国では、経済規模で域内最大のドイツが5・0%減。犠牲者数が多いスペインが11・0%減となったほか、欧州では英国も2ケタのマイナス成長が見込まれる。
同日発表されたユーロ圏の20年10~12月期のGDPは、前期比0・7%減、年率換算で同2・8%減だった。7~9月期にプラス成長に回復したが、再びマイナス成長に転じた。10~12月期は米国や中国はプラス成長を維持しており、欧州は回復が遅れている。
ユーロ圏は昨年、春と秋以降の2度の感染の波に揺れた。昨春の感染拡大時に各国が厳しいロックダウンで対処。いったん感染が減った夏場、経済の再活性化のため飲食や観光業を後押しした。だが、その反動で秋に第2波が襲来。ドイツやフランス、イタリアなど主要国は年末までに再びロックダウンに追い込まれ、経済も再び沈んだ。
英国からの変異株の猛威もあり、第2波はまだ収まっておらず、外出などの制限は年明けも続いている。EUは共同のワクチン調達に手間取っており、市場は景気が回復するのは4~6月期からとみている。(ロンドン=和気真也)
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