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「危険ではない飲食もあるのではないか」 専門家が指摘

緊急事態宣言新型コロナウイルス

三輪さち子
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 危険な飲食と、そうではない飲食があるのではないか――。新型ウイルス感染拡大に対応する特別措置法と感染症法の改正案を審議した2日の参院内閣委員会で、専門家からこんな指摘があった。改正案では、営業時間の短縮命令に応じない飲食店には罰則が新たに科せられるが、感染リスクが低い店も一律に罰則の対象になることを問題視している。

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参院内閣委で参考人として意見陳述する東大大学院の米村滋人教授=2021年2月2日午後1時34分、国会内、恵原弘太郎撮影

 参院内閣委に参考人として出席した東京大学大学院の米村滋人教授は、医師であり、民法・医事法の専門家でもある。

 米村氏は「すべての飲食店の、すべての飲食機会に、等しく危険があるのかという問題がある。危険な飲食と、そうでない飲食があるのではないか」と語った。飲食する客の人数や、換気など店舗の構造や設備によって、感染リスクは変わってくると指摘した。

 さらに、「罰則を科す以上、その行為に実質的な危険性があると言えなければならない。それが刑事法の原則であり、行政罰でも同じだ」と述べた。危険性の高い行為に限定して命令を出すような運用が求められると強調した。

 米村氏はまた、危険性のリスクによらず、一律に命令を出すと、感染リスクの低い飲食店にとって「規制の効率性や国民の納得感のために、営業をやめなければならないという状況に置かれる」と指摘した。

 その上で、過去の最高裁判決に照らして、店の営業が「危険性が高い」ならば規制しても補償の必要はないが、危険性が低いのに、時短などを求める場合は、「犠牲を払ったものとして、損失補償が必要であると考えるのが合理的だ」と主張した。

 また、米村氏は、濃厚接触者を特定するために保健所がおこなう「積極的疫学調査」を拒否した人への罰則についても懐疑的な見解を述べた。「調査を避けて、受診を控える可能性もあり、感染症対策に逆行する。罰則という裏付けで、プライバシー情報を無理やり聞き出すことが果たしてよいのか」と語った。

 この日の参考人質疑には、国立感染症研究所の脇田隆字所長も出席した。

 脇田氏は、「昨年の緊急事態宣言の時にはリスクの高い場所が明らかになっていなかったので、接触者の8割削減ということでお願いした。今回は感染リスクの高い活動にしぼって制限をかけた」と説明した。

 感染リスクが高い場面として「飲酒をする懇親会、マスクをしない会話、狭い空間での共同生活、職場での喫煙、車の中でのマスクなしの会話」などを挙げた。

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 国会論戦や各党の動きなどの様子を「国会ひとコマ」としてお届けします。(三輪さち子)

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