閉じ込められた男性の画像「祖父では」 真相求め沖縄へ

有料会員記事

山本恭介
[PR]

 かつて、日本では精神障害のある人を自宅の小屋などで閉じ込めておくことが合法的に認められていた。神戸市の女性は、家族らが伏せ続けてきた祖父の過去を偶然知り、昨夏、その故郷・沖縄へと向かった。

 「もしかして、この人はおじいちゃん?」

 神戸市の幸恵(ゆきえ)さん(41)は2年前、偶然見たドキュメンタリー番組に釘付けになった。格子のある部屋の中から、穏やかな表情でこちらを見つめる男性。名前は「金太郎」さんといい、沖縄に住んでいた。

写真・図版
閉じ込められている金太郎さんの写真。1967年に撮影された=原義和さん提供

 父方の祖父母がどんな人だったのか、数年前に亡くなった父親には、いつもはぐらかされていた。知っていることは、金太郎という特徴的な名前と、沖縄に住んでいたこと、持っている船を失ってから精神を病んだということだけ。父は「あの島は自然がきれいなんだ」と自慢そうに話す時も、祖父母の話に触れようとしなかった。

 番組で紹介された金太郎さんにも精神障害があり、「私宅監置」という制度によって自宅で閉じ込められていたという。名字は伏せられ、幸恵さんは祖父だと確信を持てなかった。「もし違ったら」「いまさら過去を知ってどうするのか」。数カ月間迷った末、幸恵さんは番組で紹介された沖縄県精神保健福祉会連合会に連絡を取った。精神障害者らを支援する団体だ。

 連合会から、番組を制作した沖縄在住のフリーディレクター原義和さん(51)を紹介してもらった。私宅監置の取材を続ける原さんから話を聞くと、金太郎さんの名字や故郷の島は祖父と同じ。間違いないと言われ、ほっとした。

 「なぜ閉じ込められないといけなかったのか、知りたい」。幸恵さんは昨年6月、原さんの案内で沖縄を訪ねることにした。

     ■…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。