模試の不適切表現 引用元は最優秀作品、貧困なくす意図

松岡大将
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 佐賀県内であった高校の英語の模試で、イスラム教とテロリストを結びつけるような不適切な表現があったとされる問題。その文章は、全国の高校生を対象にした英作文コンクールで、過去に最優秀に選ばれた作品から引用したものだった。全文を読むと、ある高校生が外国を訪れたときの体験から、「世界から貧困と戦争を終わらせたい」と思っていることが書かれていた。

 2日午前、萩生田光一文部科学相が会見で、この模試について「不適切な表現があったことは承知している。不当な差別的表現があってはならない」などと述べた。県教育委員会などは同日午後6時半、急きょ記者会見を開き、落合裕二教育長らが謝罪。「全く大臣のおっしゃることには同感」と語った。

 “不適切”とされたのは、英文を読んで答えを選ぶ問題で掲載された文章の中身だった。主な内容はこうだ。

 《エジプトを訪れ、世界遺産を周遊観光した。そこには絵はがきを持った子どもがいて、「1ドル!」と叫んだ。どこに行っても、そういう子どもたちがいた》

 《子どもたちが1ドルを稼げなかったらどうなるかと思うと悲しくなり、父に尋ねた。父は「もし稼げなかったら、食べ物を求めてモスクへ行き、そしてテロリストになる」と答えた》

 《イングランドに行く機会があったときは、そうした子どもはいなかった》

 こうした違いをもとに、こう締めくくっていた。

 《将来は大学で国際関係を学び、困っている人々を助けると決めた。世界から貧困と戦争を終わらせたい。それが、「1ドル!」と叫ぶ子どもたちがいない社会をつくるだろう》

 模試でこの英文を引用したのは、同じ高校生の文章で読みやすく、社会問題を扱っていることなどが理由だったという。落合教育長は「作者には責任は一切ない。迷惑をかけて、責任を痛感している」とも述べた。(松岡大将)

英文の最後の段落

 One thing I have decided through this experience is that in the future I will study international relations at university and work for people in trouble.

 I want to end poverty and wars from all over the world.

 I am sure it will make a society in which no boy is shouting “One dollar!” for their food.

(和訳)

 この経験を通して私が決めたひとつのことは、将来において私は大学で国際関係を学び、そして困っている人々を助けるということだ。私は、世界から貧困と戦争を終わらせたいと思っている。それが食べ物のために「1ドル!」と叫んでいる子どもたちがいない社会をつくるであろうと私は確信している。