米ロ、新STARTの5年延長に正式合意 期限目前で

ワシントン=渡辺丘、モスクワ=喜田尚
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 米国とロシアは3日、両国間の唯一の核軍縮条約、新戦略兵器削減条約(新START)を2026年まで、5年間延長すると正式に発表した。ブリンケン米国務長官は「バイデン大統領は軍縮と核不拡散で米国のリーダーシップを取り戻し、核の脅威から米国民を安全にすると約束した。今日はその第一歩だ」と声明を発表。ロシア外務省も声明で「戦略的な安定を維持し、機能させるメカニズムが保障された」とした。

 11年に発効した新STARTは、両国が配備する戦略核弾頭や、大陸間弾道ミサイルなどの運搬手段の上限を決めた。10年間の有効期限が2月5日に迫る中、両国は延長交渉に取り組んできたが、トランプ前米政権の下では難航した。核兵器削減に積極的なバイデン氏は就任直後の1月26日にロシアのプーチン大統領と電話協議し、条約の延長で原則的に合意した。ロシアは27日、議会の上下両院が延長に関する法律を承認し、プーチン氏が29日に署名した。米国は延長のために議会の手続きが不要だ。

 米国と旧ソ連冷戦時代に結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約は、トランプ政権が離脱表明し、19年8月に失効した。ブリンケン氏は3日の声明で、「新STARTの延長は、21世紀の安全保障課題に対応する、始まりに過ぎない。米国はロシアの全ての核兵器に対応する軍備管理を求めるために、5年の延長期間を使う」と強調した。ロシア外務省も「ロ米の対話を安定した軌道に乗せ、国家安全保障と世界の戦略的な安定の面で大きな結果を得る努力が求められる」とした。(ワシントン=渡辺丘、モスクワ=喜田尚)