ワクチン接種医療機関に協力金 総社市が独自施策 岡山

小沢邦男
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 岡山県総社市は3日、新型コロナウイルスのワクチン接種を実施する医療機関や医師らに対し、市独自で協力金を支払うと発表した。4月からとされる接種だが、市は通常診療を休んで従事してくれる医師や看護師が少なくないと判断。協力金で下支えし、接種体制を着実に整えたいとしている。

 ワクチン接種は国の委託事業。医療機関などには接種1回につき2070円が支払われるが、「これだけでは不十分」との声が医療現場から上がっていた。

 協力金は3種類。集団接種への応援派遣に対し、医療従事者1人につき1日2万円。病院に対しては接種後の副反応への対応なども求めており、接種人数などに応じて1カ月あたり最大60万円を支払う。診療所に対しても同様に1カ月あたり最大20万円とする。

 総社市の人口は約7万人。市は全市民を対象に準備を進めるが、6万人程度が接種すると想定している。地元の吉備医師会などとの協議で、1日千人に接種するというスケジュールの大枠を決めた。

 接種場所は大きく分け、集団接種会場(保健センター)▽医療機関▽高齢者施設など、とする。集団接種は医師1人、看護師2人を1チームとし、1日540人の接種を目指す。医療機関は3日時点で市内3病院と5診療所が対応すると決めており、1日あたり計320人に接種。高齢者施設へは医師を派遣し対応する。

 市は1カ月に接種できるのは2万人と想定。半年で6万人が2回接種できるよう進めるとする。一方で医師会などは、ワクチン接種に従事・協力する医療機関の本来業務が成り立たなくなる恐れがあると指摘。特に小規模な診療所から声が上がっているといい、3日に会見した片岡聡一市長は「半年で終わらせるためには小さな診療所の協力は欠かせない」として独自の協力金を決めた。

 国がワクチン認可した後、市は独自の専門家委員会を開く予定。ワクチンの副反応について取りまとめて市民に紹介するという。片岡市長は市民への周知を課題の一つにあげている。「高齢者は見知らぬワクチンを『怖い』と受け止めている。副反応などを伝えて、納得のうえで接種してもらいたい」としている。

 同日に市議会臨時会が開かれ、協力金の費用1億円を盛り込んだ総額4億5100万円の一般会計補正予算案を可決した。クラスター(感染者集団)が発生した際の濃厚接触者の家族らへの宿泊支援の事業費なども含まれている。(小沢邦男)