商都・大坂を支えたコミュニティー 斬新な手法で探る

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編集委員・中村俊介
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 商都、大坂。この近世都市を支えたのは「町(ちょう)」というコミュニティーだった。その定着から解体までをたどる特別企画展「大阪の近代化と町 水帳(みずちょう)から公文書へ」が大阪歴史博物館大阪市中央区)で開かれている。

 天下の台所を自負する大坂は明治維新を迎え、近世から近代への転換期をどう切り抜けたのか。新時代の到来を前時代社会の終焉(しゅうえん)から照射する新鮮な試みだ。

 ここでいう町とは、江戸期の大坂を形作っていた地縁共同体のことで、それぞれ地域の運営を担った。その変遷を「水帳」と呼ばれる土地台帳や町人同士でやりとりされた土地売買記録、絵図など町ごとに保管・管理されていた豊富な資料約80件でたどる。

 一見、無味乾燥で取っつきにくい事務書類の集積。だが丹念に読み解くと、捨て子の養育についての内容など、ここに相互扶助の精神が息づいていたことがわかって生々しい。大阪歴史博物館によると、これらは全国的にも屈指の資料群で、各地の都市の変化を考えるうえでも有用だそうだ。

 本展の斬新さは、その解体過…

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