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それぞれの最終楽章・足し算命(4)

海南病院緩和ケア医 大橋洋平さん

 2019年4月8日。お釈迦様の誕生日。花祭りの日です。定期診断で「肝臓に転移しています」と主治医に告げられました。消化管間質腫瘍(しゅよう)(ジスト)の下血から10カ月、手術とつらい抗がん剤治療に耐えて9カ月目でした。

 18年9月、12月の造影剤CTでは異常が見られず、安心していました。しかし、この日の写真にはくっきりと2センチの腫瘍がありました。転移がんはドーナツのように周辺がくっきりと、中心がぼやけて見えるのが特徴です。医学生でも見間違えようがない、がんの教科書に載るような典型的な転移がんの印でした。

 告白すると、造影剤を注射してのCT撮影には裏話があります。原則、3カ月に一度、造影剤CTを撮影し、腫瘍の有無を確認するのですが、転移の知らせに結びつく恐れがあり、患者としては正直、先延ばししたいのです。それでぐずぐずしていたら、担当するがん患者の中に私ががん患者だと知っている60代の女性がいて「先生、定期的に撮影しないとダメだよ」と背中を押してくれました。それで何とかあまり遅れずに撮影できているのです。

 3月に俳優の萩原健一さんがジ…

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