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 今夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が3日に「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言したことを巡り、森会長は4日、記者会見を開いて謝罪した。「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だった。深く反省している」と述べ、発言を撤回した。

日本スポーツとジェンダー学会会長の中京大・來田(らいた)享子教授(五輪史)の話

 森氏の発言は(あらゆる差別を認めない)五輪憲章の根本原則6に違反し、国際オリンピック委員会のアジェンダ2020にも反している。社会の変化や公共性への感度の低さも露呈した。「新型コロナウイルスがどういう形だろうと必ずやる」と五輪開催を断言した発言と根底で通じる。森氏だけでなく、発言を傍観した評議員も五輪運動の推進者として不適任だ。

 仮に女性の発言が長いのだとしたら、女性が取り上げる事柄の検証と、なぜ女性だけが取り上げるのかの原因究明が必要だ。逆に男性の発言が短いのだとしたら、なぜ男性は取り上げるべき事柄に気づかないのか、気づいていても発言できないのであればその原因も検証するべきだ。

 多様な意見をすくい上げて、時間内に会議の成果をまとめられるような人材を、スポーツ界が育成してこなかったことにも問題があるが、これを男女の問題として議論することは矛盾を生むだけだ。