被災地に必要なのは新たな物語 震災描いた天童荒太さん

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聞き手・市田隆
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 小説『永遠の仔(こ)』『悼む人』で知られる作家・天童荒太さんは、震災後を生きる人々を扱った小説や対話集を著してきた。震災から10年という歳月と現状をどう捉えているかを聞いた。

――『悼む人』は、不慮の死を遂げた人々の鎮魂のために全国を旅する若者を描いた作品でした。被災地との関わりは、いつ始まったのですか。

 『悼む人』の作者が震災の被害者をどう見るのかというドキュメンタリー番組の企画がテレビ局から持ち込まれました。その内容であれば、私が現場に立った上でないと話せないと申し出たところ、震災から約80日後に東京から被災地に向かうことになりました。

 最初に行った岩手県陸前高田市では、大きな町がまるまる海までなくなっている、爆心地に立ったような印象で呆然(ぼうぜん)としました。テレビに映る映像だけでは、そのスケールの大きさがわからない、東京にいるだけではわからない。その後も今まで、福島県浪江町など被災地に10回ほど足を運ぶことになりました。

――被災地を舞台にした小説を書くきっかけは。

 当初は震災の事実があまりに…

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