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 松江、出雲、雲南3市に残る戦争遺跡を網羅したガイドブックの完成が、近づいた。近現代史に関する調査や発信に取り組む市民団体が、製作費を補うためのクラウドファンディング(CF)を行っている。

 ガイドブックは、『島根の戦争遺跡―満州事変、日中戦争、アジア太平洋戦争期の松江市・出雲市・雲南市―』(A4判、約150ページ)。近現代史に関する調査や発信に取り組む市民団体「戦後史会議・松江」が、昨年に戦後75年を迎えたことや、県内に戦争遺跡を網羅した書籍がないことから製作に取り組んだ。

 メンバーが現地確認できる範囲を考慮し、遺跡の対象を松江、出雲、雲南3市に絞った。満州事変(1931年)~敗戦(45年)の時代が対象。軍事遺跡▽その他の軍事遺跡(防空陣地、戦時病院など)▽空襲遺跡など▽産業遺跡(軍需工場、松根油などの採取)▽居住・生活遺跡(学童疎開、旧満州〈中国東北部〉帰還者らの開拓村など)▽宗教・思想遺跡(奉安殿、宗教弾圧など)▽忠魂碑、慰霊碑など――の7分野に分け、数百件の遺跡の所在を地図や写真とともに紹介する。

 旧海軍大社基地跡(出雲市)のような著名な戦争遺跡のほか、特殊潜航艇「蛟龍(こうりゅう)」の基地があったとみられる松江市美保関町七類の九島(くしま)、本土決戦に備えた今市周辺陣地遺跡群(出雲市)など、あまり知られていなかった遺跡も盛り込む。

 「戦後史会議・松江」世話人で、元県職員の若槻真治さん(63)=松江市=は「戦争は中国や東南アジア、太平洋だけでなく、国家総動員態勢として国民が関わって全土であったことを考えてほしい」と話す。

 資金がないため書店での販売はせず、CFで2千円の寄付あたり1冊を提供する。1万円の寄付では戦争遺跡の現地ガイドもつく。

 CFは24日まで。ガイドブックに関する説明会を6日午後2時から、松江市白瀉本町の市民活動センターで開く(定員100人、入場料300円)。戦後史会議・松江のホームページ(http://sengoshikaigi.blog.jp/別ウインドウで開きます)で。(小西孝司)

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