千葉県大多喜町泉水の水田から、旧海軍の戦闘機零戦のエンジンと20ミリ機関銃が掘り出された。1945年8月15日、終戦の日に連合軍機と戦って墜落した零戦のものとみられる。同県睦沢町立歴史民俗資料館で保管し、調査を続けている。現在は公開はしていない。
掘り出したのは、睦沢町文化財審議会委員の幸治(こうじ)昌秀さん(77)とその知人ら。房総半島中部の日本軍機の墜落場所を探し、慰霊する活動を続けている。終戦の日については、現在の茂原市にあった海軍茂原航空基地から零戦で飛び立ち、戦死した5人の名前と、おおよその墜落場所5カ所が分かっていた。2014年から調査を続けたところ、うち3人の墜落場所が判明していた。
今回、掘り出したのは戦死者の名前が分からない墜落場所のうちの1カ所。19年5月に零戦のものとみられる金属片を幸治さんが拾っていた。この場所は、近所の人が付けていた日記に記されていた零戦の墜落場所とも一致していたため、墜落場所に間違いないとみて、今回は重機を入れて本格的に発掘をした。
1月22日と25日に調査をした。幅70センチ、長さ約10メートル、深さ約1メートルの穴を掘った。22日夕方には、金属のパイプ状のものが埋まっているのを、同資料館の学芸員久野一郎さん(64)が見つけ、機械を使って引き抜いたところ、長さ約1・8メートルの20ミリ機関銃と分かった。25日には約3メートル離れたところから、エンジンの残骸が見つかった。どちらも零戦のものとみられる。
いずれも水に漬かったような…