ワクチン接種で高齢者の感染減少 イスラエルで論文発表

新型コロナウイルス

エルサレム=高野遼

拡大する写真・図版イスラエルで9日、2回目のワクチン接種を受けるネタニヤフ首相(右)=AP

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 新型コロナウイルスのワクチン接種が世界一のペースで進むイスラエルで、優先して接種が進む高齢層の感染者数や入院者数などが、若年層に比べて減少していることがわかった。イスラエルの研究者が論文にまとめ、3日に発表した(https://github.com/hrossman/Patterns-of-covid-19-pandemic-dynamics-following-deployment-of-a-broad-national-immunization-program別ウインドウで開きます)。この論文は専門家による査読をまだ済ませていない。

 論文を発表したのは、ワイツマン科学研究所のエラン・セガル教授らの研究グループ。「60歳以上(高齢者)」と「59歳以下(若年者)」の二つのグループにおいて、ワクチン接種開始後の昨年12月下旬以降の感染状況を比較すると、高齢者グループのほうが感染者数や重症者数、入院者数の減り方が著しかった。

拡大する写真・図版1日当たりの感染者数の推移を示すグラフ。若年者(オレンジ)と比べ、高齢者(青)は減少傾向にある。青い点線がイスラエルで国民へのワクチン接種が始まったタイミング=エラン・セガル教授らの論文から

 イスラエルでは、国民の28%が2回の接種済ませたか感染から回復済みで、高齢者に限るとその割合は78%に跳ね上がる。

 2月2日時点の感染状況を3週間前と比べた場合、高齢者グループでは1日当たりの入院者数が31%減ったのに対し、若年者グループでは5%増加していた。

拡大する写真・図版1日当たりの入院者数の推移を示すグラフ。若年者(オレンジ)と比べ、高齢者(青)は減少傾向にある。青い点線がイスラエルで国民へのワクチン接種が始まったタイミング=エラン・セガル教授らの論文から

 同様に、重症者数は高齢者で24%減ったのに対し、若年者では23%増加。感染者数は高齢者で41%減ったのに対し、若年者では12%減にとどまった。

拡大する写真・図版1日当たりの重症者数の推移を示すグラフ。若年者(オレンジ)と比べ、高齢者(青)は減少傾向にある。青い点線がイスラエルで国民へのワクチン接種が始まったタイミング=エラン・セガル教授らの論文から

 こうした感染状況の違いは、イスラエルでワクチン接種が始まってから約3週間後の1月半ばから顕著になった。

 論文では、ワクチン接種が進む都市と遅れている都市も比較。接種が進む都市の方が、高齢者の感染状況に顕著な減少傾向がみられたという。

 これらの結果について、論文は「現実世界でのワクチン接種の効果を示すサインだ」としている。(エルサレム=高野遼)

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