会津の「赤べこ」品切れ続出 コロナと丑年、願い託す

上田真仁
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 干支(えと)の丑(うし)とコロナ禍が重なり、福島県会津地方の民芸品「赤べこ」が製造が追いつかないほどの人気だ。新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、多くの人が「べこ」に思い託す。

 「在庫がたまりしだい販売を再開するつもりですが、お待たせして大変申し訳なく思っております」

 会津地方赤べこを製造する主な三つの業者のうちの一つ、「野沢民芸品製作企業組合」(西会津町)の代表理事で絵付師の早川美奈子さん(55)は話す。

 べこは東北地方の方言で、「牛」のこと。赤べこ会津地方の玩具で、かつて天然痘が流行した際、子どもたちを守ったとの言い伝えがあり、地元では疫病を防ぐお守りとして大切にされてきた。

 野沢民芸では、長さ9・5センチ~38・5センチの八つの大きさに応じ、1650~1万2320円(税込み)で売る。約20人の職人で年間5万個を作るが、昨年11月ごろから注文が急増し、1月中旬からネットや電話での通信販売を中止している。

 近くの「道の駅にしあいづ」では完売状態で、店頭には「品切れ中」の札を出す。今年度の赤べこの販売数は3割増えているが、副店長の倉兼康行さん(48)は「実際のところ買いに来られても品物がない状況が続き、入荷があればさらに売れる状況です」と話す。

 東京都中央区にある福島県のアンテナショップでも赤べこの販売は好調で、昨年は一昨年の7倍の約1100個が売れ、今年に入っても好調な売れ行きという。小山勉館長(44)は「丑年であるのと、コロナの早期収束を願って買っていかれるお客さまが多い。一日も早いコロナの収束を願う一方で、赤べこの人気は続いて欲しい」と話す。(上田真仁)