キリン、ミャンマー国軍系企業と合弁解消へ 撤退は否定

若井琢水
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 ミャンマーであった国軍によるクーデターを受け、キリンホールディングス(HD)は5日、現地で展開するビール事業について、国軍系企業との合弁を解消する方針を発表した。ただ、ミャンマーからの撤退は否定しており、別の提携先を探すことになりそうだ。

 キリンは2015年にミャンマーに進出。最大手のミャンマー・ブルワリーなど2社にキリンが51%、国軍系企業が49%をそれぞれ出資している。

 キリンは今回のクーデターについて、「国軍が武力で国家権力を掌握した行動は大変遺憾。当社のビジネス規範や人権方針に根底から反する」とコメント。合弁相手が国軍と取引関係にあるとし、「提携は解消せざるを得ない」とした。

 現地の法規制で、事業を継続するには現地企業が2割を出資する必要がある。そのため、キリンは国軍系企業に合弁の解消を交渉しつつ、軍とは関係のない合弁先を探すことになる。

 現在の合弁相手をめぐっては、国際人権団体から18年、同社の役員らが国軍関係者で、ビール子会社の配当金などが軍事利用されているとの指摘を受けていた。

 キリンは昨年6月に第三者企業を通じて調査を開始。だが、今年1月に「確たる判断に必要な情報を入手できなかった」として調査の終了を発表。国軍への資金源とされた子会社の配当金については、昨年11月に停止されたと発表していた。(若井琢水)