「南山の部長たち」 イ・ビョンホンが突きつめた怒り

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映画ジャーナリスト・成川彩
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 何が彼を暗殺に向かわせたのか――。公開中の映画「KCIA 南山(ナムサン)の部長たち」(ウ・ミンホ監督)は、韓国で1979年に起こった朴(パク)正熙(チョンヒ)大統領暗殺事件を基にしたフィクションだ。イ・ビョンホンが、大統領を射殺した中央情報部(KCIA)の部長を熱演している。(映画ジャーナリスト・成川彩)

映画「KCIA 南山の部長たち」

 1979年10月26日、韓国の中央情報部(KCIA)トップのキム・ギュピョン部長が大統領を射殺した。その40日前、元部長のパク・ヨンガクは、亡命先の米国で大統領の不正を暴露。キム部長は裏切った友人の口封じに動き出し、歯車が狂い始める。

イ・ビョンホンが語る 演じるカタルシス

 ――出演を決めた理由は。

 最も重要なのは、物語の持つ力。近現代史の中でもここまでドラマチックな話があるだろうか。この作品は、物語の持つ力が非常に大きいと思いました。

 ――原作者から直接話を聞いたそうですね。

 原作者の金(キム)忠植(チュンシク)先生の話は、長い間取材を重ねただけあって情報量が多かった。当時の状況や人物について、知ることのできる書籍やドキュメンタリーも参考にしました。さらに歴史を実際に経験した人を見つけて話を聞き、キャラクターにアプローチしました。

 ――どのような特徴を参考にしましたか。

 彼は普段は非常に穏やかな人物ですが、ある瞬間爆発的に怒りをあらわにする性格だったことを、資料や周りの人たちの話から知りました。それをどう表現するかが、俳優としての私の宿題でした。一方で、そういう部分を演じる時に感じるカタルシスもあります。怒りを表面的には見せなくとも、感じさせることはできると思って演じました。

後半では、共演者や印象に残った場面について語っています。原作のノンフィクションを書いた元新聞記者の読み解きも。

 ――現場で積極的にアイデアを出す方だと聞いています。

 自分勝手に解釈して歴史や人…

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