「原発→再エネ」目指した村 新電力の苦境で思わぬ事態

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関根慎一
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 原発事故で全ての住民が避難し、一部を除き避難指示が解除された福島県葛尾村再生可能エネルギーの普及を目指す地元の新電力と契約する村の施設が今冬、思わぬ節電を強いられている。約400人の村が巻き込まれた「想定外の事態」(村幹部)とは――。

 「こんなことでは新電力はやっていけない」。村の約130軒に電気を供給する新電力「葛尾創生電力」(葛尾村)の鈴木精一副社長は危機感をあらわにする。同社は2018年に設立され、「電力の地産地消」をめざす村が社長に副村長を送り込み、資本金のうち半額を超える2200万円も出資した。昨年11月下旬に一般家庭への電力供給を始めた矢先、電力卸売価格の急騰に直面した。

 新電力の多くは自前の発電設備に乏しく、足りない分を「電力卸売市場」で調達する。市場価格は寒波による需給逼迫(ひっぱく)で、昨年12月中旬から上昇。1月15日には最高で従来の30倍を超える1キロワット時あたり251円まで高騰した。冬は自前の太陽光の稼働が落ち、7割を市場に頼る同社への影響は大きく「1千万円超が調達費で消えた」(鈴木氏)。

 東北電力より1キロワット時あたり1円安いという電気料金を売りとし、契約を勝ち取ってきただけに電気代の値上げは難しい。電気を売るほど赤字が膨らみ、やむなく1月中旬、使用電力の多い村の施設数カ所に節電要請を行った。

 村地域福祉センター「みどり…

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