特製カレーをどうぞ 医療従事者支援のレストラン

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柏木友紀
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 食欲をそそるスパイスの香りが漂う。午前11時すぎ、JR日暮里駅近くのビストロ「キッチンフォーク日暮里店」(東京都台東区)。自慢のビーフカレーと一緒に、サラダ、焼き菓子を袋に詰めると、医療従事者に無料提供する特製セットのできあがりだ。

 常連客の口コミなどで少しずつ広まり、この日は地元のクリニックから10食分の予約が入った。

 正午前、クリニックの管理栄養士が受けとりに来た。高齢者の訪問医療を主に担ってきたが、コロナ禍で在宅療養に切り替える患者が増えて訪問件数も増加。勤務シフトが厳しくなったという。「立派なお弁当をいただいてありがたいです。また頑張れます」

 2度目の緊急事態宣言の1カ月延長が決まった。売り上げは平時の半分にも届かないが、店主の阿部善雄さん(40)は「いま一番大変なのは、懸命に命を守る医療スタッフの皆さん。少しでも応援したい」。弁当には感謝状も添える。提供数は1300食を超えた。

 飲食店での消費減で苦境に立つ生産者らの支援にもつなげたいという。仲間の生産者や仕入れ業者には廃業したり、転業したりする人も出てきた。「食材は時期に合わせて計画的に生産されており、使われなければ廃棄せざるを得ない。是非おいしく食べてもらいたい」。先月は新成人に無料で名物のローストビーフを提供するイベントを催した。

 仕事仲間でレストラン「グロワグロワ」(同区)の店主、栗山裕二さん(52)もポークカレーの提供を始めた。地域の中核病院からも週3日、夜勤スタッフの夜食用に申し込みが来ている。「支援の輪が広がればいいな」と願う。これらの費用は持続化給付金なども使いながら自前でまかなっている。

 先日、阿部さんが50食分を届けた近くの大学病院からは、こんなメッセージが届いた。「朝から晩まで院内で過ごす我々は外に買いに行くことは出来ないので、大変ありがたいです。たくさんの方々に支えられていることに感謝します」

 支援期間は「宣言が終了するまで」。2店で計3千食は頑張りたいという。(柏木友紀)

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