北京=冨名腰隆
中国国防省は4日夜、地上配備型の中距離弾道ミサイル迎撃システムの技術実験を同日実施したと発表した。実験を行った地点など詳細は明らかにしておらず、「所期の目的は達成した。実験は防御的なものでいかなる国も対象にしていない」とのみ伝えた。
中国が迎撃システムの実験を公表するのは3年ぶり5回目。大陸間弾道ミサイル(ICBM)や中長距離弾道ミサイルへの対応が想定される中距離の迎撃システム実験としており、技術向上を示す狙いがあるとみられる。
日本も同類の迎撃システム「イージス・アショア」の配備を目指してきたが、防衛省が配備候補地だった秋田県に提出した報告書に誤りが見つかった上、システム改修へのコストや期間の問題から計画を撤回した。
中国は、米国がロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱し、アジア太平洋地域への中距離ミサイル配備計画を進めていることに警戒。今回の実験には、米国を牽制(けんせい)する意味もありそうだ。
4日、米イージス駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が台湾海峡を通過すると、中国軍の東部戦区報道官は「米国が故意に緊張を生み出す行為に断固反対する。台湾海峡情勢がどのように変化しても、我々は国家主権と領土を守り抜く」との談話を発表した。(北京=冨名腰隆)
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朝日新聞国際報道部