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 大正生まれで、山口県下関市に暮らす写真愛好家が2年前、「私の写真人生」と題した写真集を出した。収録したモノクロ写真の1枚が、1964年の東京五輪で、関門海峡を海上保安庁の巡視艇で渡る聖火リレー。ひたむきにカメラを構え、歴史的場面を逃さず切り取ったセンスが光る。

拡大する写真・図版写真集に収録された「海を渡る聖火」=1964年9月、福田勝さん撮影

 コロナ禍で1年延期された今回の東京五輪で、聖火リレーが県内を回るのは5月13~14日の予定。前回のように関門海峡を船で移動する計画はない。

 撮影したのは全日本写真連盟下関支部長を長く務めた福田勝さん(95)。サンデン交通でバス運転手として働き、趣味で写真を撮り続けた。写真集を発行した2019年5月3日は自身の誕生日。大正、昭和、平成、令和と四つの時代を生きてきた記念で初めて、えりすぐりの140枚を1冊にまとめた。

拡大する写真・図版福田勝さん

 出来上がるのを目前にした4月、自宅にいて脳梗塞(こうそく)で倒れ、救急搬送。一命は取り留めたが、入院生活が続き、後遺症も残る。長女の内田美智子さん(67)によると、完成した写真集を1ページずつ開いて見せると、納得したようにうなずいたという。

 「海を渡る聖火」。そうタイトルを付けた聖火リレーの場面は、巡視艇「なつぐも」の甲板上に立つランニングシャツ姿の一行や、風になびく聖火の煙がはっきりと写っている。

 内田さんが父から聞いたエピソードはこうだ。

 撮影場所を探していたところ、…

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