イスラエルの戦争犯罪疑い、国際刑事裁判所の「管轄下」

エルサレム=高野遼
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 イスラエルによる武力行使や入植活動などが戦争犯罪に当たるとして、パレスチナ国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)に訴追を求めた問題で、ICCは5日、パレスチナ自治区での戦争犯罪についてICCの管轄権が及ぶとの判断を示した。イスラエルの主張を退けた形で、検察官による捜査への道を開くものだ。

 ICC検察局は2019年12月、同自治区のヨルダン川西岸とガザにおける戦争犯罪の容疑について正式捜査を始める意向を表明した。ただ、パレスチナが独立国家であるかどうか立場が分かれることなどを踏まえ、ICCの管轄下にあるかどうかICC裁判部の判断を求めていた。

 検察局は今回の判断を歓迎するとした上で、「慎重に分析し、次のステップを決める」としている。

 15年にICCに加盟したパレスチナは、14年にガザで2千人以上が死亡したイスラエル軍の大規模攻撃やイスラエルの入植活動などについて訴追を求めていた。一方、ICC非加盟のイスラエルはその公平性に疑問を呈してきた。

 パレスチナ自治政府のシュタイエ首相はICCの判断を「正義と人道、自由の勝利だ」と歓迎。一方、イスラエルのネタニヤフ首相は「反ユダヤ主義だ」と断じた上で、「正義の悪用に対し全力で闘う」と強く非難するコメントを出した。

 米国務省のプライス報道官も5日、「深刻な懸念を持っている」としてICCの判断に反対する声明を出した。「我々はパレスチナ人が主権国家の資格を得ているとは考えておらず、ICCを含む国際機関に国家として参加する資格はない」とした。(エルサレム=高野遼)