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 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっていない国が約130カ国に上り、接種が一部の国に集中しているとしてワクチン供給の偏りへの危機感を示した。先行する国は、自国の医療従事者らへの接種が終わった段階でワクチンを他の国に分け与えるように呼びかけた。

 テドロス氏は、これまでに世界で行われたワクチン接種のうち4分の3以上が10カ国に集中していると述べた。ワクチンが行き届いていない国が多い半面、一部の国では重症化や死亡のリスクが高くない人への接種も進んでいるとして、「(各地の)高リスクの人々への接種に時間がかかるほど、ウイルスが変異したりワクチンが効かなくなったりする恐れが高まる」と指摘。「すべての場所でウイルスを抑えないと(ウイルスとの闘いは)振り出しに戻る」と述べた。

 テドロス氏は、すでにワクチン接種を始めた国は自国の医療従事者や高齢者ら高リスクの人々への接種が終わった段階で、途上国にも公平に分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」にワクチンを提供するよう呼びかけた。(ロンドン=下司佳代子)