ライバルは教え子 元世界王者・比嘉大吾と始めた再起

池田良
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 昨年の大みそか、ボクシングトレーナーの野木丈司(写真右)は勝利を決めた元世界王者と抱き合った。トレーナー冥利(みょうり)に尽きる瞬間。15戦連続KO勝利の経歴を持つ比嘉大吾だ。

 2018年の世界戦で当時王者の比嘉は計量に失敗。王座を剝奪(はくだつ)された。ライセンス無期限停止処分が下り、野木は所属ジムを辞した。

 指導に定評がある野木の元には他のジムから依頼が相次いだが、野木は静かに待った。比嘉の処分が解かれ再び師事の申し出があったことから2人の再起が始まった。「いろんな選手を指導してきたけど波瀾(はらん)万丈な選手。退屈させないよ。でも、輝くものがある」

 ライバルは教え子、と野木は言う。「選手は人生をかけて練習に励み指導を求めてくる。トレーナーも応える覚悟が要る。日々の指導方法を研究して選手と向き合わないと」。比嘉のほか2人のボクサーと汗を流し、頂を目指す。(敬称略)(池田良)