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 バイデン米政権は5日、世界貿易機関(WTO)の次期事務局長として、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相(66)の選任を「強く支持する」と表明した。トランプ前政権はこの人事に反対していたが、米国が態度を変えたことで、同氏の選出が確実となった。WTOトップに女性やアフリカ出身者が就くのは初めて。WTOは近く一般理事会を開き、選任する見通しだ。

 米通商代表部(USTR)は声明で、世界銀行幹部などを務めたオコンジョイウェアラ氏について「経済、外交分野で豊富な知識をもたらす」と評価。「バイデン政権は新しい事務局長とWTOに必要な改革に向けて協力するのを楽しみにしている」と表明した。

 米国では、WTO加盟後に急速に台頭した中国による知的財産侵害や産業補助金などの問題について、WTOが対応できていないとの不満が党派を超えて強い。トランプ前大統領はWTO脱退すらちらつかせる高圧的手法をとった。これに対しバイデン政権は今回の人事でも、既存の国際的な枠組みへの積極的な関与を通じて改革を求めていく姿勢を示し、違いを際立たせた。

 これに先立ち、トランプ前政権が支持し、オコンジョイウェアラ氏とともに事務局長の最終候補に残っていた韓国の兪明希(ユミョンヒ)・通商交渉本部長は5日、選挙戦からの撤退を表明していた。(ワシントン=青山直篤)