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 外国で起きた重大な人権侵害に制裁を科す日本版「マグニツキー法」の議員立法をめざし、近く超党派の国会議員連盟が発足する。米国のバイデン新政権は人権問題に厳しい姿勢で臨む方針で、新疆ウイグル自治区での人権侵害などが米中の新たな火種となっている。日本政府は両国のはざまで対応に苦慮するとみられ、法整備には慎重だ。

 先月27日の議連発起人会。共同代表に就く自民党の中谷元衆院議員は、ウイグル問題への政府対応を疑問視し、「党部会でも『これで人権国家と言えるのか』との意見が出た」と語った。同じく共同代表を務める国民民主党の山尾志桜里衆院議員は「G7(主要7カ国)でマグニツキー法を装備していないのは日本だけ」と強調した。

 マグニツキー法は、ロシア当局による汚職を告発後に逮捕され、2009年に獄中死したロシア人弁護士の名前に由来する。言論弾圧や拷問、虐殺などの人権侵害に関わった外国の個人や団体に、資産凍結や入国禁止といった制裁を科す。

 米国が12年に対ロ制裁法として制定し、16年に対象を全世界に拡大。昨年はウイグル問題をめぐり中国政府高官らに適用した。対象や要件に違いはあるが、英国やカナダなどは制定済みで、欧州連合(EU)も昨年12月に導入を決めた。豪州などでも導入に向けた動きがある。

 日本の現行法には、人権侵害だけを理由に制裁を科す規定はない。国連安全保障理事会の決議などがあれば制裁は可能だが、日本が主体的に人権侵害への制裁を発動するのは難しい。

 国内では昨年7月、香港国家安全維持法の施行を受け、超党派の「対中政策に関する国会議員連盟(JPAC)」が発足。日本版マグニツキー法の検討を始めた。昨年11月の集会では、在日香港人の女性が「アジア最大の民主国家、日本は傍観者であるべからず」と導入を求めた。

 議員立法の成立には主要会派の合意が必要だが、中国との関係を重視する公明党などは参加していない。このためJPAC幹部は「特定の国を対象としない形をとれば、より多くの政党が参加しやすくなる」として、「対中」をうたわない新議連をつくり、幅広い賛同を募ることにした。ただ中国とのパイプが太い自民党の二階俊博幹事長らの反対も見込まれ、法案成立の道筋は描けていない。

回避働きかける政府、理由は

 日本政府はこうした動きに神経…

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