自転車そのまま持って列車でGO 買い物や通院に住民も

城戸康秀
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 肥薩おれんじ鉄道(本社・熊本県八代市)は、列車内に自転車をそのまま持ち込める「サイクルトレイン」を8日から運行する。ボックス席が多い車両の構造など制約が多いなか、一昨年秋の試験運行での検証を踏まえて本格実施に踏み切った。

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 自転車の持ち込みについては、現在も分解するなどして専用のバッグに入れれば乗車可能だが、沿線住民や自治体からは、日常の買い物や通院などでそのまま乗り込めるよう求める声があがっていた。専用バッグを持つ自転車愛好家からも「そのまま」への要望は強かった。

 運行は通勤・通学で混雑する時間帯を避けて午前9時~午後3時で、週末や休日も同時間帯に限られる。また全28駅のうち川内駅だけはJR九州の駅構内にあるため除外される。自転車の持ち込みに伴う追加料金はない。

 駅によっては構内移動に跨線橋(こせんきょう)を上り下りする必要があり、電動やかごつきなどの重い自転車については、駅員らの介助はなく、自ら運ぶしかない。同鉄道のホームページ(https://www.hs-orange.com/page75.html別ウインドウで開きます)では、乗降駅で跨線橋を使う必要があるかどうかが分かる時刻表を入手できる。

 対応可能なのは1両あたり最大4台。座席の位置は限られ、一般客の乗車後に運転士が案内する。走行中に自転車を固定するバンドの貸し出しもあるが、自転車を常に手で支える必要があるため、「車内トイレはご利用いただけません」と同鉄道。また、汚れた自転車や三輪自転車、エンジンつき自転車は持ち込めず、車内混雑時には運転士が乗車を断る場合もある。

 同鉄道は2019年11月に計11日間にわたってサイクルトレインを試験運行した。12月と翌年2月には自転車愛好家らを対象にモニターツアーを実施。体験した人たちからは本格運行を期待する声が多く寄せられ、事故やトラブルもなかったという。

 本格運行にあたって同鉄道営業部は「利用条件はあるが、自転車と列車で日常生活の足としての利便性を高めるとともに、沿線のサイクリング観光も促して利用者増を図りたい」としている。(城戸康秀)