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 12年ぶりに千葉県のトップが代わる知事選の告示まで1カ月を切った。自民党の推薦を受ける関政幸県議(41)と、立憲民主党県連などと連携する熊谷俊人・千葉市長(42)の「与野党対決」の構図が色濃くなる中、低迷する内閣支持率が選挙にも影響をみせている。

 「政権はぐちゃぐちゃ。不祥事が一気にくるなんて」。自民党県連幹部は不満をぶちまける。2月に入り、緊急事態宣言下で会食していた自民の国会議員3人が離党、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会長の森喜朗元首相が女性蔑視発言で「炎上」するなど、政権への逆風が県連にも及んでいる。

 菅内閣の支持率を頼りに知事選を戦う算段だった県連幹部は、危機感を募らせる。党の調査では関氏に厳しい結果が続き、県連幹部からも「追いつけないのは内閣支持率の影響もある」という声も出始めた。関氏自身も「自民党の候補というだけでなく、個人としてもアピールしなければならない」と語る。

 これまで県連は、関氏の「知名度が課題」とし、国会議員らとの2連ポスターを作るなど、「自民候補」として印象を付けるのに躍起になっていた。背景には、熊谷氏を「野党候補」と位置づけ、「与野党対決」を鮮明にしたい思惑もあった。

 県連幹部は昨年末ごろまで、「千葉は保守王国」「野党候補を選ぶわけがない」と息巻いていた。だが、菅内閣の支持率が下降線をたどるにつれ、焦りが広がっている。

 関氏の陣営幹部は「自民党は大きい組織。動き出すのに時間がかかるし、3月は支持率がどうかわからない」との見方も示す。ただ、河上茂幹事長は、支持者以外への訴えは逆効果になる可能性があるとみており、「今は党の関係団体を回るしかない」と話す。

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 政権への逆風を「追い風」にしようとにらむのは熊谷氏側だ。旧民主党出身の熊谷氏だが、これまで党派色を前面に出さない「県民党」と訴え、陣営は野党との距離をとってきた。しかし、ここにきて次の衆院選で勢力拡大を狙う立憲民主党県連と接近している。

 「自民党の不祥事が相次いでいるが、追い風かというと生かし切れていない」。立憲県連の生方幸夫会長は5日、県連常任幹事会後にオンラインで報道陣に語った。「告示までには風を味方にして勝ち、次の衆院選挙につなげたい」

 県連は、知事選と衆院選の相乗効果を狙い、衆院選の各候補予定者と熊谷氏の2連ポスターをつくり始めた。県連の谷田川元・衆院議員は「ポスターは1千枚ほど作った。熊谷氏を全面的に応援する」と話す。

 谷田川氏の地元の香取市の道路脇には、2人のポスターが並ぶ。その隣には対立候補となる関氏と林幹雄・自民党幹事長代理の2連ポスターが並び、「自民対立憲」は鮮明だ。

 熊谷氏は2日、立憲県連県議団と「スピード感と責任感が機能する県行政に改めること」など15項目の政策協定を締結した。一方、幅広い支持を求めることを考えれば「立憲が応援することが熊谷氏にとって良いのか悪いのか」(県連関係者)という声も漏れる。

 その不安を払拭するように、同日、熊谷氏は日本維新の会県総支部の千葉維新の会とも政策協定を結んだ。支援者には「立憲だけの色を付けないため」との見方も広がる。

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 知事選は3月4日告示、21日に投開票される。これまで関、熊谷両氏のほか、共産党推薦の金光理恵氏(57)、元船橋市議の門田正則氏(73)、元県立高校長の皆川真一郎氏(66)が立候補を表明している。(今泉奏、上田雅文)

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