「一家支えるのは俺かも…」 涙こらえた小6の自分へ

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編集委員・石橋英昭
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 拝啓 10年前の私に伝えたいことがあります――。東日本大震災で大切な人を亡くしたり故郷を失ったりした人たちが、あの日の自分に手紙を書いた。壮絶な出来事が待ち受けていること、後悔と悲しみ、それでも信じ歩いてきたこと。過去にあてた伝言は「永訣(えいけつ)」という題で、新曜社(東京)から本になった。

 宮城県石巻市雄勝町出身の牧野大輔さん(21)は、母まり子さん(当時40)が津波の犠牲になった。自宅も生まれ育ったまちも、流された。

 当時は小学6年生。遺体と対面した時、公務員の父輝義さん(52)の安否もわかっていなかった。一家をこれから支えるのは、長男の俺かもしれない。そう思い、ぐっと涙をこらえた。

 故郷を離れて家を再建。母の…

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