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 奈良県立王寺工業高校(住本裕一校長)は1日、昨年3月に卒業した機械工学科の6人の生徒が在校中に制作した「令和七支刀(しちしとう)」を天理市に寄贈した。

 令和七支刀は石上(いそのかみ)神宮(天理市)に伝わる国宝の「七支刀」をモチーフに、2019年度の機械工学科の3年生6人が卒業制作として鋳造で作った。

 通説として本家の七支刀は鉄をたたく鍛造によるものとされていたが、真鍮(しんちゅう)を鋳型(いがた)に流し込む鋳造という新説が出てきた。王寺工は県内で唯一鋳造を指導する高校だ。新説を知った教諭の「やってみないか」との誘いに、生徒たちが応じた。制作者の一人で和歌山市在住の天野己太郎(こたろう)さん(18)は「難しいし、レプリカも少ないって聞いたので、成功したらすごいんちゃうかなと思いました」と当時を振り返る。

 まずパソコンで設計図を作り、木で枠組みを作製。夏の暑い日に1100度の鉄を流し込んだ。天野さんは「あの日のつらさを思えば、社会に出てどんな仕事でもできます」と笑う。約1年かけて昨年2月ごろに完成。昨春に石上神宮のある天理市に寄贈しようとしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって遅れ、今回の寄贈となった。

 制作者で橿原市在住の和田浩生(こうせい)さん(18)は「いろんな人に見てほしい。ものづくりには、いろんなことができると知ってもらいたいです」と話している。(篠原大輔)