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 【東京】「豊かな人生」や「沖縄を想(おも)う」、「介護を考える」といった独自の視点で特集を組み、上映し続ける映画人がいる。たった1人で会社を立ち上げ、映画の配給や配信を行う大森隆太さん(44)だ。2カ月おきに上映会を開いているが、黒字になったのは一度だけ。それでも「1本でも多く、映画を見てもらう機会を作っていく」と話している。

 会社は「ミカタ・エンタテインメント」。会社名には映画に関わる全ての人の味方でいたい、との意味を込めた。会社と言っても社員は大森さんだけ。映画上映のほかにイベントの企画や開催も手伝う。

 映画の世界に入ったのは20代後半。役者を目指していたが芽が出ず、携帯ショップや飲食店のアルバイトで生計を立てた。それでも「やっぱり映画の仕事がしたい」。大手映画会社の関連会社に入り、劇場運営や配給、イベント企画、宣伝を経験した。その後、別の会社で映画のネット配信業務を手がけ、2年前に独立した。

 上映会は「3年後の黒字」を目指し、2019年8月から始めた。社名の頭文字を取り、「Mシネマ」と名づけ、客席が56席のシネマハウス大塚(東京都豊島区)で3~5本の映画を組み合わせて1週間上映。トークイベントも設ける。「庭を愛する」をテーマにした特集期間には、ガーデンデザイナーのドキュメンタリー作品や、アイドルが主演した映画をリストアップし、幅広い客層を呼び込んだ。今月は第16弾で、「OKINAWA」をテーマに、12日まで「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」など4作品を紹介する。

 上映会の黒字は一度だけだが、他の業務で赤字を埋め合わせている。昨年は、アニメ映画「鬼滅の刃」が興行収入1位を記録した。大森さんは映画に注目が集まることを喜びつつ、「公開される映画は年間で1千本を超える。埋もれた作品がたくさんあり、一人でも多くの人の目に触れる機会をつくりたい」と語った。

 上映会の日程詳細はミカタ・エンタテインメントのHP(https://mikata-ent.com/mcinema/別ウインドウで開きます)へ。料金は一般1500円、シニアや学生、障害者は1100円。(西村奈緒美)