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 沖縄県浦添市長選は7日投開票され、無所属現職の松本哲治氏(53)=自民、公明推薦=が、玉城デニー知事や立憲、共産、社民、沖縄社会大衆の各党が支援する無所属新顔で前市議の伊礼悠記氏(38)を破り、3選を果たした。菅政権は異例の態勢で現職を支援し、1月の宮古島市長選からの沖縄の首長選での連敗を回避。来秋の知事選に向けて足がかりを得た。

 当日有権者数は8万9814人で、投票率は62・98%だった。

 選挙では、米軍那覇軍港(那覇市)の浦添市への移設の是非が争点となり、反対する伊礼氏に対し、松本氏は容認し「県全体の発展にプラス」と主張した。松本氏の勝利で、菅政権は移設に向けた手続きを加速させる見通しだ。

 玉城知事自身は、浦添移設を容認してきた。しかし、支持勢力内は反対が強い。移設手続きが進めば、苦しい立場に追い込まれる可能性がある。当選を確実にした松本氏は記者団に「(知事には)『先行返還』や『民意を受け止めていく』という発言もあるので、知事の真意を確認するところから始めていかなければならない」と語った。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐって知事と対立する菅義偉首相は、同じ構図となった宮古島市長選と同様に秘書と自民党職員を現地に派遣。選挙戦では松本氏も、基地の跡地利用などで国と連携すると強調した。

 軍港移設について松本氏は、初当選時は「反対」。その後、市内への移設受け入れを認めつつ「独自案」を掲げて再選し、昨夏になって独自案を撤回し、現計画受け入れに転じた。こうした経緯が「2度の公約破り」などと批判されたが、「過重な基地負担を段階的にでも減らしていきたい」などと理解を求めた。

 伊礼氏は、軍港移設反対を前面に出し、政権批判も展開。玉城知事も支援を呼びかけたが、軍港移設をめぐる知事と支持勢力とのスタンスの違いも露呈し、浸透しきれなかった。(国吉美香、藤原慎一)