クーデターと革命の違いって? ナポレオンも明智光秀も

有料会員記事

笠原真
[PR]

 民主化への歩みを進めてきたミャンマーで1日、国軍によるクーデターが起きた。アウンサンスーチー氏や大統領らが拘束され、国軍が権力の掌握を宣言。国内では、市民による大規模なデモが起きるなどの混乱が続いている。人類の長い歴史の中で、クーデターは世界各地で繰り返されきた。それは日本でも同様だ。そもそもクーデターとは何なのか。政治学と歴史学の2人の専門家に聞いた。

 「クーデターとは暴力的な手段を用いて非合法的に既存の権力を奪い、大きな政治的変動をもたらす可能性のある行動を指します」。政治変動や民主化に詳しい日本大学の岩崎正洋教授(比較政治学)はそう説明する。「わかりやすく言い換えると、Aさんが所有して住んでいた家に、ある日突然Bさんがやってきて、暴力を使ってその家を乗っ取るようなものです。家にはAさんの生活ルールがあったのに、Bさんが自分中心のルールに変えてしまい、その結果、AさんはBさんに従わざるを得なくなる。それがクーデターです」

 クーデターと似た政治的行動として挙げられるものに「革命」がある。岩崎氏によると、クーデターが単に暴力的な手段で権力を奪取する行動を指すのに対し、「主義主張に基づいた理想的な社会を描き、それを実現するために立ち上がった人々が大義名分を持って社会に変革をもたらす」のが革命だ。王政廃止を訴えたフランス革命や、共産主義を掲げたロシア革命などが代表例だという。

 2011年に民政移管が完了したミャンマーでは、15年と昨年の総選挙でスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝し、国軍系の野党が敗れた。しかし、国軍は今月1日、スーチー氏らを予告なしに拘束し、非常事態を宣言。「昨年の選挙に不正があった」と主張してクーデターを正当化している。このやり方について、岩崎氏は「絵に描いたようなわかりやすいクーデターだ」と話す。現状の政治に不満があれば、次の選挙で支持を訴えるのが民主主義のあり方だ。「対話という民主的なやり方ではなく、有無を言わさずに拘束したのはまさに暴力。これからは自分たちに都合の良い憲法をつくり、長期独裁政権につながるかもしれません」。そんな過去の例としては、1961年に韓国でクーデターを起こして長期政権を敷いた朴正熙政権があるという。

 岩崎氏は、クーデターが起きる国の多くが非民主的か、もしくは民主主義が未熟な国だと話す。ミャンマーは民政移管からまだ10年。軍政下でできた憲法で国会の4分の1が「軍人枠」として定められており、「軍が政治に絡んでいる時点で民主的とは言えない」という。民主主義を成熟させるには年数を重ねて何度も民主的な選挙を繰り返していく必要があるとして、こう分析する。「ミャンマーの民主主義はまだ『かさぶた』の状態でした。とてももろく、今回のようにちょっとした出来事ですぐにまた『出血』してしまう状態だったのです」

 岩崎氏によると、陸上自衛隊

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら