米、フーシのテロ組織指定を解除へ 前政権の政策転換

ワシントン=渡辺丘、ドバイ=伊藤喜之
[PR]

 バイデン米政権は、イエメンの反政府武装組織フーシの「外国テロ組織」指定について解除する方針を議会に通知した。米国務省報道担当者が6日、朝日新聞の取材に明らかにした。フーシをめぐっては、トランプ前政権が政権交代直前の今年1月にテロ組織に指定したが、かえって停戦を遠のかせ、状況を悪化させるとの懸念が出ていた。バイデン政権が政策を大きく転換した形だ。

 バイデン大統領は4日の外交政策に関する演説で、イエメン内戦に介入を続けるサウジアラビア主導の軍事作戦への支援をやめる考えを表明したばかり。国務省報道担当者は、指定解除について「前政権の最終盤の指定による人道的影響」が理由と説明。国連などが人道危機を加速させると懸念していることを強調した。

 イエメンの暫定政権とフーシの間で2015年から続く内戦は、サウジ主導の有志連合軍が暫定政権を支援し、イランがフーシを支える代理戦争となって泥沼化。これまでに数万人が犠牲になり、「世界最悪の人道危機」とされる。トランプ前政権はサウジに巨額の武器売却を行うなどし、介入を支援していた。

 フーシ幹部のアブドラ・ハジャ最高政治評議会議長顧問はAFP通信の取材に対し、「(外国テロ組織の)指定解除は平和への一歩だ」と評価。イエメン内戦にかかわる武器売却中止も打ち出したバイデン新政権について、「良いスタートを切った」と歓迎するコメントを出した。(ワシントン=渡辺丘、ドバイ=伊藤喜之)