砂漠で遊牧民と川の字に…レンズでとらえたシリアの素顔

有料会員記事

鈴木春香
[PR]

 内戦が続く中東のシリア。1980年代からこの地を撮り続けてきた写真家の吉竹めぐみさん(55)にとって、そこは豊かな歴史と文化のもと、情に厚い人々が暮らす国だ。尽きない魅力と、混乱の現在をどう見るのか、聞いた。(鈴木春香)

よしたけ・めぐみ

1965年、東京都生まれ。写真家。東京写真専門学校(当時)を卒業後、講談社の月刊誌での契約カメラマンを経て、フリーランスに。87年から2011年にかけ、遊牧民のベドウィンを中心にシリアで撮影してきた。14年に写真集「ARAB」を英語で出版。国内のほか、英米などで写真展もひらく。現在は雑誌を中心に様々なテーマで撮影している。

 2011年3月に起きた反政府デモをきっかけに、シリアは政権派と反政権派による内戦に陥った。少数民族クルド人勢力やイスラム過激派組織も入り乱れ、10年が経とうとする今も、和平の見通しは立っていない。

 だが、シリアを知る人たちは決まってこう言う。「内戦が起きる前は、日本より安全と感じるくらい平和だった」。その時代をファインダー越しに見つめ続けた写真家に、内戦のイメージが覆うシリアの「本来のすがた」を聞いてみたかった。

 「古代からの歴史を持つ美しい街、羊と新鮮な野菜の豊かな食文化、砂漠と四季のある自然、そして人々の温かさ。本当に豊かな国なんですよ」と訴えかけるように語る吉竹さん。

 内戦前のシリアで約20年間、人々や風景をカメラに収めてきた。1995年からは、砂漠で暮らす遊牧民「ベドウィン」と共同生活し、その表情を撮り続けた。14年にイタリアの出版社から英語で発売した写真集「ARAB」には、生まれて数時間後の赤ん坊と並ぶ母親や、割礼をされる男の子、といった、深い信頼関係なしには撮れないであろう場面が並んでいる。

 「同じものを食べ、川の字に…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら