飯島健太
昨年1月8日午前4時、イランの首都テヘラン近くの国際空港。母親のマフナズ・ハギガトさん(56)が、1週間前に結婚式を挙げた次女のプーネさんと、新郎のアラシュ・プールザラビさんを見送りに来ていた。テヘランで学生の時に知り合った2人は、2年前から一緒にカナダの大学に留学していた。
命を大切にする娘だった。道ばたでけがをした犬や猫を見つけては家に連れて帰り、手当てをした。パソコンが得意で、友人によく操作の方法を教えるほど詳しかった。大学ではコンピューター科学の修士課程で、超音波画像を使って肝臓の病気を調べる研究に打ち込み、論文が学術誌に載るところだった。「先端的な技術で命を助けられるんだよ!」。娘がいると、家が明るくなった。
「ママ、次はカナダで会おうね」「気をつけてねえ~」。空港で手を振って別れた。
それから2時間が過ぎた頃だった。
娘を乗せた旅客機は離陸直後、…
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朝日新聞国際報道部