「いつかするは一生しない」 先延ばしパターンから卒業

中島美鈴
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 いつか連絡するね……。「いつか」はいつのことでしょうか、本当に連絡するのでしょうか。自分の目標に向かって行動しようと思っても、忙しくて「またいつか」「次こそは」と、先延ばしにした経験があると思います。時間管理は難しいですね。臨床心理士の中島美鈴さんが解説します。

つい、スマホに手が伸びる

 「そろそろ歯医者にいかなくちゃ」

 「そのうち時間ができたら、いちご狩りにでもいきたいな」

 「暇なときに、この本読もうっと」

 そう言いながら「その時間ができた」ときがなかなか来ないと思いませんか?

 いや、正確にはけっこう暇な時ってあるはずなのに、スマホやテレビ、ネットに時間を奪われていることって多いようです。

 本当は成し遂げたいことがあっても、ついつい、私たちは忘れてしまいますし、目の前の誘惑に負けてしまいます。

 前回は、月間目標を1週間ごとのやることとしてスケジュール帳に書くことで、忘れずに夢を実現させるための行動をとることができることを説明しました。

 ADHDの主婦で、これまで何度も植物を枯らしてきたリョウさんも、年間目標である「緑に囲まれた暮らし」を12ステップで実現させるための「月間目標」の形に変換し、さらに最初の月間目標「自分でも育てられる緑は何かを調べる」の達成のために必要なアクションを四つに絞って、次のように週間目標にしたのですね。

 <週間やること>

 1週目:植物に詳しい人に聞く

 2週目:花屋さんで相談する

 3週目:本屋で関連書籍を探す

 4週目:観葉植物が買えるネット通販サイトのレビューを読む

 しかし、これではまだまだ絵に描いた餅です。この「1週間のやること」ってしなくても生きていけることなんですね。

 仕事や家事、育児などしないと生きていけない優先順位の高いものたちに、簡単にとって代わられます。だからこそ、私たちはなかなか目標が達成できないのです。

 今回はこの「忙しすぎて夢を実現する時間がとれない」問題に切り込みます。

空いている時間を洗い出し

 夢の実現のための時間をとるには、現状を把握して予定の入っていない時間を探すか、既にある予定を短縮するかやめるかすることが必要です。

 まずは、現状の週間スケジュールを書き出してみましょう。

写真・図版
イラスト・中島美鈴

 ここで空白の時間のある方は、そこが「週間やること」をする時間になります。「週間やること」にかかる時間はどのぐらいでしょうか。少しだけ多めに見積もって、その時間のとれそうな空白の日時に予約します。そう、自分に予約するのです。

 リョウさんの場合は、「1週目:植物に詳しい人に聞く」でした。ひとまず、親友のアヤさんにLINEで尋ねることにしました。 ひとまず尋ねる文章を作って送信するだけなら5分もあればできそうです。たった5分。そう思うと、どこでもとれそうですね。

たった5分で夢に近づけるなんて、すごいと思いませんか?

 リョウ「5分で済むんだ。じゃあ、暇な時にアヤさんにLINEするか」

 これは典型的な先延ばしパターンですね。だめです。何月何日何曜日の何時にするのかきちんと自分に予約します。「いつかするは、一生しない」です。

 リョウ「わかった、わかった。私はそれで忘れるパターンだったからね。美容室も歯医者もそうやって、先延ばししてきた。はいはい、いつやるか決めます。予約します」

 リョウさんはスケジュール帳に書き込みました。

写真・図版
イラスト・中島美鈴

 こんなふうに文頭にチェックボックスをつけておくと、忘れずにできたときにチェックを入れて、達成感を味わうことができます。

 では、週間スケジュールがすでに予定でパンパンで、夢の実現のために割く時間がないほど忙しい方はどうすればよいのでしょうか? 次回に続きます。

 ◇このコラムの著者がオンラインで2月25日(木)夜に時間管理セミナーを開催します。詳細はこちらから(https://timemanas.peatix.com/別ウインドウで開きます)。(中島美鈴)

中島美鈴

中島美鈴(なかしま・みすず)臨床心理士

1978年生まれ、福岡在住の臨床心理士。専門は認知行動療法。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部、福岡県職員相談室などを経て、現在は九州大学大学院人間環境学府にて成人ADHDの集団認知行動療法の研究に携わる。他に、福岡保護観察所、福岡少年院などで薬物依存や性犯罪者の集団認知行動療法のスーパーヴァイザーを務める。