バレンタインは甘くない? 大人の味も「映えて」人気

矢木隆晴

拡大する写真・図版まるでスイーツのような、さつま揚げ。一つ一つ丁寧に並べられていた=2021年2月6日午前、奈良市、矢木隆晴撮影

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 バレンタインデーを前に調理台の上にずらりと並べられたハート形や球形の色とりどりのチョコレート? 甘~い光景にみえますが、決して甘くはありません。容器に詰めているものは、一口サイズのさつま揚げ。甘いものが苦手な男性向けのバレンタインギフトとして奈良市の老舗かまぼこ専門店が売り出し、人気を集めている。

 バレンタインさつま揚げは、アヒージョ風、ピーナツバター味などの洋風から、えび団子やゆばを巻いた和風ものまで計13種類。創業120年の魚万商店が3年前に販売を始めた。基本は伝統の技術を生かしたさつま揚げで、魚の練り物を小さく丸め揚げている。ハートの形が欠けたりしないように繊細に形作り、一つ一つ丁寧に箱に納められた姿はほぼスイーツ。口にするまで気づかない人もいるという。

拡大する写真・図版まるでスイーツのような、さつま揚げ。チョコと勘違いして驚かれることも多い=2021年2月6日午前、奈良市、矢木隆晴撮影

 考案したきっかけは8年前、父の日のギフトにさつま揚げが売れているのを発見したことだった。一方で、母の日にはそれほど売れるわけではない。社内での話し合いの結果、「女性が年の離れた男性に贈っているのではないか」と推測した。敬老の日にも売れることから、年配の男性に喜ばれる商品に特化しようと、バレンタインギフトが開発された。

拡大する写真・図版店内には、作りたてのさつま揚げが並ぶ=2021年2月7日午前、奈良市、矢木隆晴撮影

 一昨年は100セット、昨年は1400セット完売と好評で、常連の男性客に渡すために飲食店からの大口の注文などもあった。しかし、今年はコロナウイルス感染拡大の影響で飲食店の営業が打撃を受け、注文は激減。代わりに力を入れたのはSNSでの発信だった。インスタグラムツイッターでのプレゼントキャンペーンをするなどしたところ、「映える」サプライズギフトとして認知度もアップ。新たな顧客が生まれ喜ばれているという。

拡大する写真・図版1901年創業の「魚万商店」本店=2021年2月7日午前、奈良市、矢木隆晴撮影

 緊急事態宣言の影響もあって観光客やインバウンド客が姿を消し、商店街の人出は減っている。4代目の魚谷和良社長(61)は「時代は変化しているので、こちらも変化しなければ。遊び心も持ちながら、チャレンジしていきたい」と話す。

 3個入り(税抜き700円)、5個入り(同1200円)、8個入り(同1800円)でそれぞれ、洋風と和風セットがある。同社のホームページ(https://www.uoman.jp別ウインドウで開きます)からのネット販売が中心だが、12日から3日間は数量限定で、もちいどのセンター街(奈良市)の本店でも店頭販売する。問い合わせは、本店(0742・22・3709)。(矢木隆晴)

拡大する写真・図版2月12日から3日間は、数量限定で「バレンタインさつま揚げギフト」を店頭で販売する=2021年2月7日午前、奈良市、矢木隆晴撮影