1300年前の「サウナ」いまも現役 熱気に感じる幸せ

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平岡春人
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 約1300年前の奈良時代に造られた「古代サウナ」が、香川県さぬき市にあると聞いた。東大寺の大仏建立に関わった僧の行基が病人を治すために造ったとされ、「から風呂」と呼ばれる。炎で蒸気を発生させた石造りの空間に、毛布で全身をくるんで入るという。

 訪れたのは、県内の最高気温が3度を下回った1月上旬。高松琴平電気鉄道(ことでん)長尾駅から車で10分ほど走ると、田園に囲まれた昭和地区に「塚原のから風呂」はある。

 平屋の古い建物内で、持参したパジャマに着替え、さっそく風呂場へ。石をドーム状に積み上げた、ピザ窯のような石室(幅1・2メートル、奥行き2・7メートル)が二つ並んでいた。

 「あつい方」「ぬるい方」と札が下がっている。無料貸し出しの毛布で体をくるみ、「あつい方」の戸を開けた。

 室内の熱気が顔を襲う。思わず毛布で顔を覆った。床に敷かれたわらの上に座布団を敷いて座ったが、肌を出している手や顔がピリピリ痛み、息をするのもままならない。5分で精いっぱい。逃げるように外に出た。

 「ぬるい方」にも入ってみた。背中や顔から汗が噴き出たが、肌を突き刺すような痛みはなく、20分ほど楽しめた。室外に出ても、10分以上はポカポカ温かかった。

 30年ほど通っているという地元の佐々木津矢子さん(72)は、「入るとすっきりして、体が軽くなる。ここにいるときが一番幸せ」と話していた。

 石室内が炎に包まれる風呂たきの作業も見学できる。担当の岡田俊郎さん(71)が、約100キロの薪を石室内で燃やす。炭になったら、ぬらしたわらを敷く。その上に塩水をかけ、戸を閉めると、1時間ほどで室内に熱気が行き届く。

 最高室温は150度ほどまで上がる。石室内の高温の壁に肌が触れないために毛布などで全身を覆って入浴するのだという。

 一方を午前、もう一方は午後に風呂たきをするので、双方は常に温度差があり、「あつい」「ぬるい」の札を入れ替えている。

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