南ア変異株に「懸念」 ワクチン巡りWHO事務局長

新型コロナウイルス

ロンドン=下司佳代子
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 南アフリカで確認された感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異ウイルスに対し、既存のワクチンの効果が「限定的」だとされる問題で、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は8日、「懸念されるニュースだ」と語った。その上で、重症化を防ぐ効果があるかを見極めるため、さらなる研究を促した。

 この変異ウイルスをめぐっては英オックスフォード大が7日、英製薬大手アストラゼネカと開発したワクチンについて、軽~中度の症状を予防する効果が「最小限にとどまる」と発表していた。分析の根拠となった調査は対象者の平均年齢が31歳で重症化しにくい若者が多く、人数も約2千人と少なかったため、このワクチンが重症化や入院、死亡を防げるかどうかは評価できなかった。

 テドロス氏は記者会見でこうした報告に懸念を示した上で、インフルエンザワクチンのように、新型コロナワクチンもウイルスの変化に適応させていく必要があるだろうと指摘した。「変異ウイルスが広まっても、感染抑止に成功している国もある」と語り、人混みを避ける、マスクを着用する、などの感染抑止策を徹底するよう改めて呼びかけた。

 記者会見には、WHOの予防接種部門を統括するケイト・オブライエン氏も同席し、変異ウイルスの種類によってはワクチンの効果が低下する場合もあるとの見解を示した。その上で、これまでの様々な研究結果を検討すると、アストラゼネカ・オックスフォード製のワクチンは南ア型の変異ウイルスに対し、「重症化の予防効果があると考えるのが妥当だ」と語った。(ロンドン=下司佳代子)

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