「リンゴ日報」創業者の保釈取り消し 香港の最高裁決定

広州=奥寺淳
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 香港の終審法院(最高裁)は9日、中国共産党に批判的な香港紙「リンゴ日報」創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(72)の保釈を正式に取り消す決定をした。香港国家安全維持法国安法)案件を裁くために政府が指名した裁判官が、黎氏を保釈すれば国家の安全に危害を与えるという当局の訴えに沿う判断をしたことで、香港の司法の独立を危ぶむ声が一層強まりそうだ。

 黎氏は昨年、国安法違反の罪で起訴されたが、高等法院は12月23日、国安法違反とする当局側の根拠は薄いと指摘。約1千万香港ドル(約1億3千万円)の保釈金に加え、黎氏が外国政府関係者やメディアなどに意見を表明しないことなどを条件に保釈を認めた。

 しかし、当局側の上訴を受けた終審法院は同月31日、保釈を暫定的に取り消し、黎氏を即日勾留するよう命じていた。

 黎氏は香港の民主派の重鎮で、民主化を求める学生を軍が武力弾圧した1989年の天安門事件以降、中国共産党を厳しく批判してきた。当局側は黎氏がSNSや外国メディアで香港の民主化への支持を訴えたことが、国安法の禁じる「外国勢力との結託」に当たるとして逮捕、起訴した。(広州=奥寺淳)