水虫薬の睡眠薬混入、116日間の業務停止命令 福井県

平野尚紀
【動画】水虫薬の睡眠薬混入 小林化工に116日間の業務停止命令 福井県
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 水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤が混入した問題で、福井県は9日、製造した小林化工(同県あわら市)に116日間の業務停止命令を出した。少なくとも2005年以降、約7割の製品で法令違反が確認されたとし、小林広幸社長ら経営陣も違法性を把握していたとした。厚生労働省によれば、医薬品医療機器法違反として最長の業務停止処分となる。

 県などによると、睡眠導入剤が混入した薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の製造に関する法令違反としては、厚労省の承認外の手順による工程があったほか、新たに、立ち入り調査に備えて適切な工程を装った裏帳簿をつくったことや出荷前の品質検査で結果の捏造(ねつぞう)があったとした。

 ほかの薬でも、同様に承認外の手順書や裏帳簿が存在し、検査記録の捏造があったと指摘。品質検査で不合格となっても原因究明をしないまま合格するまで検査を重ねた違反もあった。こうした違反を経営陣や現場責任者は把握しながら黙認し、改善を指示しなかったとした。

 県は一連の法令違反を重くみて1月25日、今回の処分内容の方針を伝えたが、同社は弁明期限の8日に弁明しないと伝えた。

 厚労省によれば、同法に基づく業務停止処分は過去、承認外の手順で血液製剤を製造したとして、厚労省が2016年に化学及(および)血清療法研究所(熊本市)に対して出した110日間が最長だった。

 また県は、同社に業務改善命令も出した。処方箋(せん)が必要ない第2種医薬品(大衆薬)の製造販売と、問題の薬と関係しない工場での製造については60日間の業務停止とした。

 県や厚労省などは昨年12月、同社を立ち入り調査。主成分を継ぎ足そうとしたうえ、誤って睡眠導入剤を混入した二重のミスなどが発覚した。

 同社によると、今月8日時点で問題の薬の服用者(324人)の7割超の239人が健康被害を訴え、うち41人が入院もしくは救急搬送された。服用の影響とみられる交通事故も22件起きた。

 大阪弁護士会は1月29、30日、電話相談を実施した。服用者と家族ら10府県の50~80代の男女13人から「後遺症が不安」「補償の対応が遅い」などの相談が寄せられたという。消費者被害に詳しい弁護士ら12人で「被害救済弁護団」を結成した。問い合わせは事務局長の三浦直樹弁護士(06・4800・3277)。(平野尚紀)