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 「年老いた指導者たちの無理解ぶりを示す」「日本のずれているエリートの典型」――。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言は、海外でも批判的な論調で一斉に報じられている。今回の発言の背景として、多くのメディアや人権団体が改めて指摘しているのは、日本社会に今も根強く残る男女格差の問題だ。

 「金メダル級の女性蔑視」。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は5日の声明で森氏の発言をそう論評し、「(日本に)はびこる女性差別をあらわにした」と問題視した。

 声明は、複数の医大が入試結果を操作して女性の合格者数を抑えたことや、女性が結婚後も元の姓を名乗ることが難しいこと、性暴力被害を訴えにくいことに触れ、日本で男女間の不平等が残っていると指摘。さらに「森氏の発言は、日本政府が女性差別・蔑視問題で早急に改革に乗り出すべきことを示している」として、女性差別の是正に本腰を入れるよう求めた。

 仏紙ルモンドは7日、森氏の発言について「年老いた日本の指導者たちの(男女間の不平等についての)深い無理解ぶりを示すものだ」と報じた。「日本の古いジェンダー観」が残っている証しだとも伝え、日本では企業などの女性トップが極端に少ないことや、非正規雇用で働く人の大半が女性である現状にも触れた。

 森氏の謝罪についても「いらだたしげで口先だけのものだった」とし、日本で辞任などを求める署名運動が起きていることにも言及。「すでに8割の国民が(世論調査で)五輪の中止や延期を望んでいるなか、組織委の新たな悩みの種となっている」と伝えた。

 英日曜紙オブザーバーは7日、コラムニストによるオピニオン面の記事で、森氏の発言に触れた。記事はまず、英国の地方議会で、オンライン審議中に暴言を吐いたり怒鳴ったりする男性議員を女性職員が画面から退場させた事例を紹介。「このビデオクリップを誰か森喜朗元首相に見せてあげてほしい」とつづった。

 また、ある大学の学部での7回分の会議を分析すると、男性の発言の方が女性より頻繁で長かったという1970年代の研究も引用。「問題は、女性が多く話すことではなく、女性が声を上げることが、いまだに驚くべきこと(または迷惑でさえあること)ととらえられ、多く記憶されることだ。自分の権威に異議を唱えられることが受け入れられない男性は特に、好ましくないと感じるのかもしれない」と指摘した。

 英紙フィナンシャル・タイムズ…

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