「今アスリートに発言を求めるのは酷」 JOC山下会長

塩谷耕吾
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 東京五輪パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が日本オリンピック委員会(JOC)の会合で「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」などと発言したことについて、JOCの山下泰裕会長(63)は9日の定例記者会見で、「女性蔑視と受け取れる発言は、いかなる種類の差別も認めないオリンピズムの根本精神に反する。極めて不適切だったと強調したい」と話した。

 山下会長は「スポーツ界、社会全体にそういう(女性蔑視の)価値観があることは事実だと思う」と述べた。また、山下会長によると、2016年リオデジャネイロ五輪では女性指導者の割合は15%未満で、競技団体の団体役員の女性比率も15・5%。「日本のスポーツ界におけるジェンダーバランスは十分ではなく、課題である。(五輪)ホスト国の責務として、ジェンダーの平等に対して、具体的な行動につなげることが重要」と話した。

 報道各社の世論調査で、今夏の五輪開催を支持する意見が少ない現状について、「新型コロナウイルスが収束しないと。機運を盛り上げていく具体的な案をただちに持っているわけではない」と語った。今夏の開催に逆風が強まる中、なぜ日本のアスリートは発信しないのかという声は承知しているとして、「アスリートが自分のために五輪をやってほしいと思われる可能性がある。今の状況でアスリートに発言を求めるのは酷だと思う」と述べた。塩谷耕吾