コロナワクチン接種遅い日本「メリットも」岡部信彦さん

有料会員記事

服部尚

拡大する写真・図版検品作業を受ける新型コロナのワクチンを保管する超低温冷凍庫=2021年1月21日午後3時56分、相模原市中央区、杉本康弘撮影

[PR]

 新型コロナウイルス対策の「切り札」になるのではと期待されるワクチン接種が、間もなく日本でも始まる。政府の新型コロナ対策分科会メンバーを務める川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、日本が「ワクチン後進国」となったことには、メリットもあるというのだが……。

日本の遅れ、2つの要因

 コロナワクチンの接種は世界各国で進み、菅義偉首相は、記者会見でも、衆院予算委員会でも、遅れた理由を問われた。

 岡部さんはその理由として、二つの要因を挙げる。

 一つは、社会におけるワクチンの位置づけが欧米と異なる点だ。

 「主要国では、政策上でも社会文化的にも、ワクチンは戦略的に重要なものだと位置づけられている。一方で、日本はどちらかというと個人の判断に任されてきた」

 たとえば、米国では就学前にワクチン接種が義務づけられている。だが日本では、ワクチンの有害事象をめぐり国を訴える訴訟などが相次ぎ、1994年の予防接種法改正で定期接種ワクチンも義務ではなくなった。

 「個人の意思を尊重するという意味では、成熟した社会としてよい方法であるといえる。ただ欧米に比べ、政府も社会も、危機意識が低いという問題がある」

 二つ目は、こうした背景から…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら

服部尚

服部尚(はっとり・ひさし)朝日新聞記者

福井支局をふり出しに、東京や大阪の科学医療部で長く勤務。原発、エネルギー、環境、医療、医学分野を担当。東日本大震災時は科学医療部デスク。編集委員を経て現職。